メニュー close メニュー
title-image

あらすじ

 多惑星存在となり、栄耀栄華を極めた人類は、宇宙が自分たちのために創られたと信じて疑わず、己の領域をさらに広げようと暗い宇宙の調査を広げていった。
 しかし、そこで人類が知ったことは、宇宙に終わりが迫っていることだった。宇宙の終わりという絶望を前に、人類は徐々に出生数を減らしていき、ゆるやかに絶滅する『スリープ計画』を立ち上げるが、自分たちの勝手で子どもを産む人間によって計画は失敗し、宇宙とともに死を迎える世代が誕生してしまう。
 残される者マルーン』と呼ばれる彼らは、天寿を全うすることなく、大人たちに残されて宇宙とともに死んでいく。『残される者マルーン』の一人であるトーマは、少人数の大人たちとともにコロニーで暮らしていたが、ある時コロニーを訪れた『見届ける者ゲイザー』の親子、フョードルとシャロンに出会う。シャロンの話に魅了されたトーマは外の世界への憧れを抱くが、すぐそこまで迫った宇宙の終わりをまえに、もうなにもかも遅いと諦めていた。
 しかし、突然コロニー内で新たな『残される者マルーン』が産まれたことで、トーマの運命は大きく変わっていく。

登場人物

トーマ
コロニー5(旧ドイツ)に住む『残される者マルーン』の少年。シャロンと出会ったことで外の世界への憧れを抱き、“自分の生まれた意味”と”自分が生きる理由”を求めてコロニーを旅立つ。
シャロン
フョードルとともに各地を旅してきた天真爛漫な『見届ける者ゲイザー』の少女。 人間の生み出した物を愛し、トーマを外の世界へと誘った。 フョードルとは血の繋がりはないものの、ふたりの間にある絆は本物の親子のそれよりも強い。
ユミ
トーマのコロニーで新たに産まれた『残される者マルーン』。 誕生直後にコロニーの住民によって安楽死させられそうになったが、トーマ、シャロン、フョードルによって保護される。
フョードル
シャロンの父親であり、『見届ける者ゲイザー』として彼女を教え導いてきた教師役でもある。 シャロンにも理由を告げず、突然コロニー5への移住を決めた。
ロレンツォ
フョードルの兄弟子で、かつてはフョードルと共に各地を旅していたが、ソフィとの結婚を機に『見届ける者ゲイザー』の子孫たちが築いた集落に身を落ち着かせた。 ソフィの影響でキリスト教を信仰している。
ソフィ
ロレンツォの妻。『見届ける者ゲイザー』の子孫で、集落の教会を守り続けてきた。
コロニー長
コロニー5のまとめ役だった老人で、コロニーで唯一トーマのことを気にかけていた。フョードルがコロニーへ来た目的を知っているようだが‥‥

用語・世界観

残される者マルーン
宇宙の終わりを目にする者たち。『スリープ計画』の失敗によって誕生した、天寿を全うすることができない世代。3〜40代の壮年の年齢層がほとんどで、それを下回る世代は極めて稀。
見届ける者ゲイザー
コロニーの外に拠点を置いて、かつての人間のように暮らし、外の世界を探索する者たち。 かつての人間が創り出したものや、“人間らしい生き方”を重んじており、コロニーの住民とは異なる独特の哲学を持つ。 時々コロニーを訪れることがあり、彼らの話に魅了された『残される者マルーン』が彼らとともに旅立つことも多かったという。
AlicEアリス
人間によってつくられた、万能サポート型人工知能。正式名称は、『All-purpose (万能) Life-supporting (生活支援) Intelligent (知的な) Computing (計算) Engine(エンジン)』。様々な機体に搭載されており、コロニーの管理や整備、物の運搬、医療や介護、果ては食事すらも、人間の身の回りのあらゆることをサポートしている。しかし、約220年前に大規模な攻撃を受け、一部のデータ群のほとんどが消失してしまった。
味覚薄化症みかくはっかしょう
コロニーの住人にのみ現れる原因不明の現象。味を感じた上で、その食べ物を美味しいと感じられなくなってしまう。