あらすじ
多惑星存在となり、栄耀栄華を極めた人類は、宇宙が自分たちのために創られたと信じて疑わず、己の領域をさらに広げようと暗い宇宙の調査を広げていった。
しかし、そこで人類が知ったことは、宇宙に終わりが迫っていることだった。宇宙の終わりという絶望を前に、人類は徐々に出生数を減らしていき、ゆるやかに絶滅する『スリープ計画』を立ち上げるが、自分たちの勝手で子どもを産む人間によって計画は失敗し、宇宙とともに死を迎える世代が誕生してしまう。
『残される者』と呼ばれる彼らは、天寿を全うすることなく、大人たちに残されて宇宙とともに死んでいく。『残される者』の一人であるトーマは、少人数の大人たちとともにコロニーで暮らしていたが、ある時コロニーを訪れた『見届ける者』の親子、フョードルとシャロンに出会う。シャロンの話に魅了されたトーマは外の世界への憧れを抱くが、すぐそこまで迫った宇宙の終わりをまえに、もうなにもかも遅いと諦めていた。
しかし、突然コロニー内で新たな『残される者』が産まれたことで、トーマの運命は大きく変わっていく。